MREX01 堅手茶碗 共箱 三藤るい

口径12.5cm

高さ7.5cm

高台高さ0.6cm

共箱あり

土ものというよりは石もので、ずしりとした重さがある。自然釉は複雑な色合いを見せ、火前と火裏の表情がある。

御所丸という昔の作を基にしつつも、ガンダーラの仏像彫刻のような、あるいは南米の石の文明圏から出土したような、国籍や時代を超えた異様な存在感をたたえている。まるで石の塊から削り出したかのようである。

使い続けるうちに育っていき、愛着が増していくというよりは、この懐きそうにない異質の神（古代の日本人はさまざまなものに神性を認めた。もちろん石にも。）が見せる神秘的な表情に畏怖の念にも似たものをいだきながら、淡交の関係性を結ぶ、それがこの茶碗との正しい付き合い方のようにも思う。

その意味では、これは伝統的な茶の湯の圏外から「来訪」しながら、正しく伝統を引き継ぐ正統の一碗なのだ。