컬렉션: 石井義久
朴訥とした、言葉少な気な作行。しかし手に触れて持ってみると、決して重くはないのに、どっしりとした土のたくましさを感じる。
石井さんの作品は、まず第一に健康的である。天然ということではない、なにか友達からもらったプレゼントを大事に手のひらに包み持ってその温もりを確かめているかのように、うつわというものを大事にしている気配がある。
古作にも陶工が作った「素朴な・朴訥な・おおらかな」うつわというのはある。しかし、石井さんほど温かい作行の作品には、滅多に出会えないだろう。実はこの味わいはかすかなものだ。大仰に温かいのではない。なぜなら石井義久は〈素朴派〉ではないからであり、品性として、あるいは本性として飾りがないだけなのであるから。装飾を削ぎ落としているのでもない。そのような〈ミニマル〉を志向しているのではない。単に、得難く、真っ当に無-装なのである。
1989 八王子に生まれる
1996 埼玉県入間市に育つ
2012 佐賀県立有田窯業大学卒業
2014 矢野直人氏に師事
2018 唐津 相知にて作陶をはじめる
2024 唐津 岸岳にて薪窯を築く
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