TQ5 信楽茶碗　共箱　谷穹

碁笥底の高台から緩やかに上るラインと、ストレートな筒形の胴。

ミニマルなデザインは、とても現代的でソリッドな印象を与える。

しかし、そこは谷穹さん、釉薬とかの雰囲気だけで「それっぽい味わい」をだす凡百の作品とは一線を画す深みがある。

ミニマルでクリーン、そして実質のある奥行き。

その味わいは食品と似ていて、食べてるときはそれなりに満足しても、時間が経つにつれ、後味のまずさが際立ってくるものがある。

本物かどうかの判断の一つは後味であると思う。だから気に入った茶碗を見つけたけど判断に迷ったなら、なるべく実際に見て、そして時間をおいてまた見てみると良いかもしれない。

焼締めの碗は一つあると重宝する。取り合わせに深みがでてくる。しかもそれがこんなにもモダンでタイムレスな作品であるならば、求めないという選択肢は無い。

口径10.5cm

高さ8.9cm

共箱あり

谷穹
1977 信楽に生まれる
2000 成安造形大学卒業
2002 北村寿三氏に轆轤の指導を受ける
2003 清右衛門陶房勤務