Collection: 吉野桃李

吉野桃李さんの茶入の軽さたるや。

名物とされる唐物の茶入はおしなべて軽いそうだが、それは陶工の技量を示している。吉野桃李さんの茶入もとっても軽い。それは目を引くための超絶技巧ではなく、巧まざる巧み、芯の技術である。

萩らしいやさしさ、大胆な窯変、寡黙でありながら、しみじみと、うつわと対峙できる時間。「桃李言はざれど、下自ら蹊を成す」(桃やすももは何も言わないが、その下には、自然と小道ができる)の名の通り、吉野桃李の孤独な道には、多くの愛好家が馳せ参じるものとなっている。

1965年 福岡に生まれる
1986年 有田窯業大学校卒業
1986年 12代坂高麗左衛門先生に師事
1996年 独立
2000年 渋谷東急百貨店で初個展。以後全国で個展、グループ展開催
2001年 西部工芸展入選(以後7回入選)
2007年 萩陶芸家協会展 萩陶芸家協会賞受賞