Collection: 川端まさみ

波佐見周辺にて作陶する川端まさみさん。キャリアはこれから積み上げていく、新進の作家です。まだご自身の窯をお持ちではないのですが、これからがとても楽しみなセンスと才があります。

惚れ込んだのが、美しい釉調と、フォルム。

「何気ない美しさがあればいいなと思っています。主張し すぎないように自然に控えめに。そのなかでも印象的な部分や緊張感を、どこか一部に、もたせ られるように気をつけています。」そうおっしゃっるように、とても繊細で、儚げで、しかし凛とした品格と健やかさがある。

こまやかな絵付も丁寧で、まるで骨董のように鄙びた、上品で雅味のあるものです。「古いもの の中にある絵柄を抽出し」、「組み合わせたり、よりシンプルな絵柄にしたりしている」というように、古陶に範を取りつつ、ただの写しではない現代の絵付として編集し、再構成しています。

川端さんは古伊万里がお好きで、なかでも初期伊万里、「唐津から有田の白磁へ移行する期 間の磁器のはじまりに近いものの雰囲気に惹かれ」、「唐津から初期伊万里の間にある古いもののなかの曖昧さやグレーゾーンをひろって白磁で表現している。その名付けられぬものの間(あわい)の中に、川端まさみの進む道があります。