コレクション: 三藤るい

勁さと柔らかさ、静と動。男性性と女性性。三藤さんの作品は相反する二面を同時に持つように思います。

深みのある捉えがたき様々な釉調は、特筆すべき点です。実際、三藤るいさんの作品の色彩は、写真での再現が非常に難しい、と撮影の度に思わされます。青の中にいくつもの青があり、黒の中にいくつもの黒がある。ある色の中に別の色が入り込んでいるような、その玄妙な色合いと景色は、ぜひ実物を見てほしいというのが本音です。

形(なり)において、三藤さんは古唐津を踏まえつつも、それらをそのまま写し取るということはしません。古唐津の特徴などを抽出しながら、三藤さんの独特のフィルターによって、現代の茶陶が生まれている。ただしバキバキに尖った現代性のための現代性ではなく、往時の茶の湯を偲ぶという意識や古陶への畏敬から、必然的に筋道ができたところの現代性=自身が作陶する意味の研ぎ澄ましなのです。そのあたりの「着地」のセンスの良さは、うつわの使い心地への配慮にも表れており、すっと手におさまる感じなど、豪胆でありながら、育ちの良さを感じる作品が魅力です。