TS13C 南蛮鉢 竹下鹿丸

径15cm

高さ6cm

畳付径10cm

手にとるとやや重みを感じるボウル。

鹿丸さんの南蛮系のものには薄作で軽いものと、厚みを残して豪胆な南蛮らしさをより感じられるものとがある。

ヒースセラミックの重さに似ているが、アメリカ的な思慮の無い重さではないし（悪口ではないです、僕はヒースセラミックすきです、、）、こちらを試すかのような意地悪な重さでもない。

軽くする方向にせよ、重くする方向にせよ、想像の範囲を少し超えるような手応えがこの南蛮を南蛮たらしめるexotica性を成立させる要件であるかのようにその重さは設定されている。と手にとって考える。

想定よりも重い方に超えていく、というのは「我々」の共通理解（常識や暗黙の約束事）を超えていくことで、それ自体が異国情緒的／時代錯誤的振る舞いとなる。重さ方向への逸脱は野趣、野蛮、粗野、おおらかさ、素朴、というような言葉の範疇へと近づいていく。しかし、鹿丸さんの重さはそのような言葉で表される概念とはあまりそぐわない。むしろその重さは（適度に）洗練されている。

comoliの16awタイロッケンコートはナッピング加工された裏地をもつが、羽織るとずっしりとした重みがある。その感じに似ている。

てどりの軽いうつわを好む方にも、鹿丸さんのいくつかの南蛮手がもつ重さはおすすめしたいと思う。